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文春新書『英語学習の極意』著者サイト

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美術館・画廊メモ 19

平成24年11月11日~平成25年1月21日の美術日誌。日付の新しい順に記録してあります。(画廊展はほぼ3件に1件の割合で、これは! というもののみ記録しました。)
各項冒頭の6桁の数字は日付です
(例: 220108 = 平成22年1月8日)。 展覧会名にリンクが張ってあるものは、ぼくのブログ本篇の関連記事へ飛びます。
このひとつ前の 平成24年9月7日~11月10日の美術日誌 は、美術館・画廊メモ 18 にあります。
このひとつ後の 平成24年1月22日からの美術日誌 は、美術館・画廊メモ 20 にあります。


250121 五美術大学交流展 (~2/23) @ 伊藤忠青山アートスクエア (北青山二丁目)
(2/21 からの五美大展@国立新美術館と異なり、1年生から3年生までの36人展。女子美 洋画3年の芝 愛弥葉(あやは)さんの映像作品、クラシックな絵画絵ハガキが動き出す感じで、単純な動きにもユーモアがこもる。造形大彫刻3年の足立篤史(あつし)さんの紙製立体の宇宙飛行士はもう一工夫ほしいが、過去ファイルを見ると乗り物モノを丹念に作っている。富田菜摘さんから肥やしを吸収すると、いちだんと良くなりそうだ。日大 写真の下村玲唯桂(れいか)さんの名刺は、ポジスライドのような樹脂製で、脱帽。多摩美情デから2年生の赤井佐和子さんがいたね。)

250121 Real 菊田彩加、星野有紀、牧弘子、宮本絵梨、本木ひかり (~1/26) @ ギャラリーもりもと (銀座三丁目)
(高レベルの女性人物画展。佐賀大卒の本木さんの女性は、しずかだが 「生々しい」 という表現がぴったりのリアル。佐賀大 院修了の牧さんの女性は、怪奇イラストふうで、抑えた色調でよく描き込んであり飽きない。文星藝大 院修了の菊田さんの女性は、素朴画・民画の味をかすかに加えた写実。)

250121 石井一男展 (~1/27) @ Gallery 枝香庵 (銀座三丁目)
(初日は入場整理券を配るほどの大人気で、ほぼ完売。ルオーの人物画に佛性を増し加えたような小品の数々。昭和18年神戸生まれ、関西大 法学部二部卒で美術は独学。49歳にして初個展。平成21年に後藤正治著『奇蹟の画家』 (講談社)、平成22年に TBS 「情熱大陸」 で取り上げられてブレイクした。)

250119 「さよならファンタジスタ」 作画: 机ツヤ子 (~1/20) @ アートコンプレックスセンター ACT4 (大京町)
(6月の朗読劇イベントのパートナー・北林憲次さんの次女が展開する、モノクロの横尾忠則と言ったらいいでしょうか。裸婦画 「日の果実」 を購入しました (dudek mil)。)

250119 ~うれし たのし 今日このごろ~ いきものワールド富田菜摘(なつみ)展 (~3/3) @ 佐藤美術館 (大京町)
(ギャルリー東京ユマニテで初めて出会った富田菜摘作品群はユーモアとアイディアが溢れている。菜摘さんは、女優タイプの愛くるしいひとで、会えてよかった。もっとはじけた人かと思っていたら、シャイな人だった。3階はメタルの動物作品、4階は紙の人物作品。メタル1号作品の、海イグアナ 「鉄兵」 は平成16年作。歴史的作品として東京都現代美術館でお買い上げしてほしいな。紙作品は脆弱を免れぬのか、紙の表面の荒れと褪色が進みだしている。)

250118 桑野 進 展 (~1/19) @ Gallery-58 (銀座四丁目)
(DM を見て、シャープな銅版画かと思っていたら、大型サイズに波線とジグザグ線で構成した判じ絵。昭和29年生まれ、東京藝大油画 院修了。)

250118 財田翔悟(たからだ・しょうご)個展 La Noire (~1/29) @ Gallery b. Tokyo (京橋三丁目)
(女性を描く。黒漆をつかったのかと思ったら、アクリル絵具を練ったのだと。技の工夫に精進している。東北藝工大 院在籍。)

250118 鈴木基真(もとまさ)展 Cinematic Orchestra (~1/29) @ LIXIL ギャラリー ガレリアセラミカ (京橋三丁目)
(アメリカの田舎風景を切り取り、遊び心を加えた手ごろサイズの荒削りの木彫にした。置き台を顎の高さにもっていたのは大正解。寂れたマーケットや柵を突っ切る車もおもしろい。)

250118 神谷麻穂展 ―陶 いろはにほふ― (~2/2) @ LIXIL ギャラリー (京橋三丁目)
(陶といえば容器かモノに成形したものを期待するが、作家は陶のさまざまな技の装飾美をぺしゃんとひしゃぎ、床や壁に這わせた。一見して引いてしまったが、ひたってみると講談社の絵本の世界に迷い込んだような気がしてきた。)

250118 太田三郎 「北京散策」 (~1/26) @ Gallery Natsuka (京橋三丁目)
(赤い金魚の支那凧を壁面いっぱいに陳列。金魚凧の切手ふうシールもあるよ。北京の店や市場で見つけたトランプや木の実を図案にした “太田切手” シリーズは、集めるとおもしろいコレクションになりそう。銀座四丁目の Steps Gallery 「北京遭遇」(~1/26) にも、また別の “太田切手” の展示あり。【注】 「太田切手」 はぼくの命名です。

250117 杉本一文 横溝正史文庫カバー絵 オリジナルジークレープリント展 (~1/26) @ スパンアートギャラリー (銀座二丁目)
(作品に入り込み、凝りに凝った30作。鮮烈な照明にうかぶ2人の少女を描く 「白と黒」 に惹かれたが、鉛筆署名の位置が気に入らなくて、購入見合わせ。1枚1万円だから買い得価格ではあるのだが。コントラバスのケースに押し込まれた黒ストッキングだけを身につけた女性を描く 「蝶々殺人事件」 にも惹かれた。未練はあるなぁ。)

250116 西斎(せいさい) 新・富嶽三十六景 (~1/28) @ ソニービル1階ロビー (銀座五丁目)
(西斎こと Peter MacMillan 氏のリトグラフ。カップヌードル富士、ヴィトン富士、フロン富士 Freon Fuji など。)

250116 牧野浩紀(ひろき)展 (~1/19) @ 養清堂画廊 (銀座五丁目)
(木版画 水性凹凸版摺りの 「ことあつまり」 シリーズ。くっきりした凹版の太線がこころよいアクセントを与える。多摩美版画 院修了。)

250115 中近東文化センター改修記念 オリエントの美術 (~3/24) @ 出光美術館 (丸の内三丁目)
(こんなことを言っては申し訳ないけれど、ロサンゼルスのカウンティ美術館の中国・朝鮮館で見た出品物の場末な感じを彷彿とさせた。名品展ではなく、文物展なり。大雪明けの昼だったからか、来客は極く閑散と。装飾本のような絵画展示が、もっとあれば華があったな。)

250114 収蔵品展043 自然の表現 わが山河 Part IV 寺田コレクションより (~3/24) @ 東京オペラシティアートギャラリー (西新宿三丁目)
(山や滝など風景画が中心で、人物画ファンのぼくには今ひとつだった。
project N コーナーは、多色切り絵のように山村を描く阿部未奈子さん。くっきりした写実 + 墨流しのようなゆらぎを画面に展開する。昭和49年生まれ、東京造形大から東京藝大 院修了。)


250114 新井淳一の布 伝統と創生 (~3/24) @ 東京オペラシティアートギャラリー (西新宿三丁目)
(多様なテキスタイル。年表を見たら、新井さんは若いころ人形劇もやり、盲人のための朗読録音も手掛けていて、ほほぉと思ったら、「9条世界会議」 の呼びかけ人に名を連ねた人と知り、白けた。)

250112 戸沢佳代子・斉藤沙紀 ―moment― (~1/17) @ SAKuRA Gallery (常盤二丁目)
(戸沢さんの絵は、以前 マキイマサルさんで見た。一筆一筆に勝負をかけた、さわやかな海辺風景。水着姿にランジェリーを混ぜてみたら、と思いつきを作家さんに言いたくなったが止めておいた。斉藤さんの鉛筆画も丁寧で好感。)

250112 αMプロジェクト2012 絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.7 増田佳江(かえ) (~1/12) @ gallery αM (東神田一丁目)
(DMの 「日時計」 は適度に抽象と具象が交雑して好きだが、ほかの作品は平凡なモザイク抽象で、じつはちょっとがっかり。)

250111 60周年記念特別展 美術にぶるっ! 第II部「実験場 1950s」 (~1/14) @ 東京国立近代美術館 (北の丸公園)
(2~4階のベストセレクション展は昨年10月26日に見た。今回、1階の第II部を見たら、ずいぶんな充実ぶり。会場4ヶ所に順番に置かれた解説シートを集めるのも楽しい。そのあと4階に上がって、展示替えとなった横山大観の 「生々流転」 後半を見たら、前回見た記憶は作品の実際とずいぶん異なっていた。龍がこんなにさりげなかったとは。静の末の、さかまく闇の渦なのだ。松本竣介さんの 「並木道」 と 「建物」 も改めて鑑賞。)

250111 新春展 小林美佐子・山田彩加・冨樫早智(さち) (~1/19) @ シロタ画廊 (銀座七丁目) 
(Gフォレストの個展で会った冨樫さんが案内をくれた。山田彩加さんは昭和60年、愛媛県今治生まれだ。作品が華麗。今治北高からストレートで東京藝大油画に入り、院修了のあと仏 Ecole des Beaux-Arts へ留学後、いま東京藝大博士課程。小林さんと冨樫さんは女子美版画院修了。小林作品はあたかも廃墟の邸宅の壁でみつけた妖艶。)

250111 第7回 shiseido art egg 久門剛史展 (~1/31) @ 資生堂ギャラリー (銀座八丁目) 
(ホール内の家具や道具を光らせたり鳴らしたりの15分シナリオは、モノに芝居をさせようという発想だろうけど、おもしろくなかった。微細文字の上を進む秒針に拡大鏡をつけた小品は、いい。)

250110 生誕100年 松本竣介展 (~1/14) @ 世田谷美術館 (砧公園) 
(こんなに清新でリズミカルな絵も描く現代人だったとは! 認識を根本から新たにした。竣介さんが禎子夫人と営んだ月刊 『雑記帳』 に憧れる。)

250109 吉田昌司彫刻展 ―natural― (~1/19) @ ギャラリー・オカベ (銀座四丁目) 
(駝鳥とも蘭ともつかぬ優美なフォルムを繊維強化プラスチックで。昭和43年生まれ、多摩美 彫刻 院修了。)

250109 アジアの息吹 Asian Breeze (~1/22) @ 銀座三越8階ギャラリー (銀座四丁目) 
(インドネシア人、ベトナム人の作家の作品も交えたのは新鮮でした。全体の脈絡はないけど、脈絡があってどうする? 小野耕石さんの突起版画、今回は正三角形の多面体に仕立てて、角度をクリアに違えた平面を自ずと楽しめる仕掛け。うん、これはいいね。伊藤大朗さんの鉛筆画 「無題 社会の人々」 シリーズ 3点も、脳に残る。でも せっかくなら、おばさんより若い娘を描いたほうが売れるのにね。)

250108 美の巨匠たち (~1/28) @ 日動画廊 (銀座五丁目) 
(なかなかの充実感で、感謝。一晩あけて思い返すと、藤田嗣治の、筒形の帽子をかぶった少女の絵がまず想念によみがえる。)

250108 第47回 佐藤美智子 個展 (~1/13) @ ギャラリー日比谷 (有楽町一丁目) 
(フィリピンの山岳民族の老勇者やエチオピア少女の小品にひかれた。昭和10年生まれで、毎年2回、長期の海外旅行をしては絵に描いてきたかた。人生そのものも傑作ではないでしょうか。高校教師時代は、ひとの嫌がる内申書書きを請け負う代わりに夏休みは初日に離日、始業の前日に帰日という海外旅行で、すでに100ヶ国以上を旅。)

250108 ギャラリーQ開廊30周年企画 Magnetic field 場の磁力展 (~1/19) @ Gallery Q (銀座一丁目) 
(ヴェテラン6人展。関根伸夫さんは、昨年あたりから 「もの派」 が再注目され、その切り口で作品が米国で脚光を浴びている由。)

250108 島田忠幸展 (~1/19) @ KEY Gallery・青樺画廊 (京橋三丁目) 
(アルミと鉄と金箔の甲冑造形。感覚的に、若いひとの作品だが、略歴を見たら昭和21年生まれのヴェテランで、びっくり。有名なかただそうです。)

250107 宮井麻奈展 ―浄化― 記憶の中の少女 (~1/13) @ Oギャラリー (銀座一丁目) 
(前髪に鋏を入れる、静謐でありながらドキリ感のある女性ポートレート 「病」 を購入 (dek mil)。)

250107 森村智子(ちし) ミセカケ展 (~1/12) @ Gallery 銀座フォレスト・ミニ (銀座一丁目) 
(木の株の輪切りに少女の絵。あの少女は、風来坊だろうね。彩色もよくて、値段も手ごろなので、買おうかといつも迷う作家です。)

250107 Migration 2013 河合勇作展 (~1/19) @ Galerie SOL (銀座一丁目) 
(Galerie SOL さんが銀座六丁目から一丁目へ引っ越しての開廊展。スクリーン上に金属板をおいて、連続画像とからめた映像作品3点。)

250104 植葉香澄(うえば・かすみ)展 キメラがやってきた (~1/8) @ 日本橋高島屋6階美術画廊 
(バサラぢゃ! 個々の文様は日本古典文様だし、色彩も技法も伝統的だが、造形はキメラ。バサラぢゃ! 元気がでるキメラぐい呑み、欲しくなったけど、2万円台でした…。昭和53年生まれ、京都市立藝大陶芸卒。)

250104 はじめ展 (~1/11) @ Gallery 枝香庵 (銀座三丁目) 
(平成25年の画廊初巡り。40名の小品展。DM に使われた中野真典さん「ねむり」。さらっと描いて、いい絵。売約済でしたが、いま改めて DM を眺めると、いい赤、いい仕草、いい和み。)

241227 日本の新進作家 vol.11 この世界とわたしのどこか (~25/1/27) @ 東京都写真美術館2階展示室 
(5人展。蔵 真墨(くら・ますみ)さんの街の風景は、たまに絶品あり; 靴を履きかえる 「大阪市北区」 の女性の脚が美しい。田口和奈(かずな)さんの幽なるゆらぎ、「ブルーの青み」。大塚千野(ちの)さんの、ひとをくった合成セルフポートレート。菊地智子さんの、中国のゲイバーの “クイーン” たち。)

241227 いつか見た風景 Somehow Familiar Places 北井一夫 (~25/1/27) @ 東京都写真美術館3階展示室 
(ポスターやちらしの夜汽車の男の子は、青森県津軽の五能線。新左翼や三里塚の、気の抜けたところを切りとった写真。やはり面白いのは1990年代の北京。まったく、中国というのは被写体向きの時空だね。)

241226 北村麻衣子展 (~25/1/6) @ Oギャラリー UP・S (銀座一丁目) 
(明るい呪術。丁寧な彩色の木版画が鼓動する。昭和56年京都府生まれ、創形美術研究生修了、沖縄在住。)

241226 丸山 宏 展 (~25/1/6) @ Oギャラリー (銀座一丁目) 
(シェル美術賞展にも入選。人物画を描いたところで、顔面などを薄塗りで覆う。センスはなかなかのものだが、ちょっと気を抜くと雑に見えてしまうから難しい。昭和59年生まれ、多摩美油画卒。)

241225 阪本トクロウ そこにある風景 (~12/22 会期延長) @ ギャラリー桜の木銀座 (銀座五丁目) 
(さざなみによる反射を、水色の地に乱数のような白で表した新作が新鮮だった。このところ、トクロウさんの個展はカチッとした構図ばかりで面白みが失われていたが、今回の新作はいい。
それにしても、桜の木銀座の店員教育は不快。行くたびに 「先生の作品は以前ご覧になったことはありますか?」 と聞いてくる。そういうマニュアルになっているのだろうが、No のときは気おくれを感じるし、Yes のときは それがどうしたのと思う。店員が自分のことばで語っていないのが見え見えだから、不快なのである。だから桜の木銀座は、行きたくない画廊の筆頭だ。企画自体は、今回のも含め、いいものをやっているが。)


241225 HOGAS 東京藝術大学版画研究室 Staff 展2012 (~12/29) @ みゆき画廊 (銀座六丁目) 
(8人展。大坂秩加さんの新作3点セット 「あの可憐な佇まい」 が16万円だった。大坂さんにしては人物が出てこない劃期的作品で、未練あり。「シャコに気付かれぬよう」 も、蝦蛄の色や背景の文様、モダンジャポネスク。)

241224 シェル美術賞展2012 (~12/24) @ 国立新美術館 1階展示室 1B 
(昨年はグランプリや審査員賞の選考に納得がいかなかったが、今年はほぼ順当なチョイスだった。Oギャラリーの小林亜有美さん、Gallery Q の一色映理子さんからDMをいただいた。小品を買ったことのある内藤亜澄さんが審査員賞に。高木彩さんのステイニング花卉画、牛嶋直子さんの闇の人工花園、林田健さんの現代家屋象徴、いいねぇ。Yogyami さんも急成長だ。アーティスト・セレクションのコーナーで、過去受賞者から青木恵美子、大坂秩加さん、笠井麻衣子さん、塚本智也さんの作品を数点ずつ展示したコーナーも、とてもいい企画だ。4人の過去ファイルを眺めるのも楽しかった。いい展覧会でした。)

241220 山本磨理展 (~12/22) @ ぎゃらりぃ朋 (銀座一丁目) 
(描く女性が武井咲さんタイプだ。かろやかな聖画の趣き。泉プロジェクト 「女役者絵企画」 の将来的候補画家ですね。昭和57年生まれ、東京藝大 院修了。)

241220 上田靖幸展 ―日だまり― (~12/23) @ Oギャラリー UP・S(銀座一丁目) 
(むくつけき自画像ながら首から下はおむつをつけた赤ん坊。巨大な向日葵と戯れる。これを買いたいと思うひとは恐らくいないと思うが、「売ろう」 という意思をここまで徹底的に排して自己表現に没入するひとがいるというのも、だいじなこと。)

241220 小川直樹展 (~12/23) @ Oギャラリー (銀座一丁目) 
(ホルベイン スカラシップ奨学者に平成22年に引続き選ばれたそうで、おめでとうございます。ただ、今回の個展は不調。絵具を散らし過ぎたのは、心の奥に迷いか媚びがある? 過去ファイルを見ると、平成21年の〇ギャラリー個展の作品がモノクロの切れがあってすてき。大津市在住。)

241218 たいせつなもの展 (~12/24) @ 靖山画廊 (銀座五丁目) 
(歳末は小品セールのグループ展が多くなりますが、なかでも靖山画廊さんはさすがレベルが高い。売り物を並べてるというより、一流コレクターの所蔵品を並べた部屋に案内していただいたという感覚。これ、わかります? 祝迫芳郎さんの動物+金工甲冑のシリーズも、鼠本体まで錫でつくった高レベルヴァージョンが! 佐藤明日香さんの地図シリーズもいいな。)

241213 くつなまい × 米崎隆行 (~12/16) @ アートコンプレックスセンター ACT1 (大京町) 
(米崎隆行作品は、三尾姉妹のオトコ版って感じです。滋賀在住で、独学。洋画材も日本画材も使えるひと。過去ファイルの、軽妙な具象画のほうが好みですね。才能ありです。この個展は竹山貴さん企画でした。)

241213 下田ひかり個展 神さまの死んだ国で (~12/16) @ アートコンプレックスセンター ACT5 (大京町) 
(カラフルな真ん丸お目眼のキャラで勝負。台湾やウクライナ、ブラジルの雑誌でも数ページにわたりカラー写真で紹介されて、イタリアの高レベルのグループ展にも日本からひとり出展。活躍してますね。でも、なんてっか、煮詰まってる感じもあるんだな。ぼくは、以前の ET の目のような 恐竜の眼のようなキャラのほうが好きですが。この個展は車洋二さん企画でした。)

241213 マイルーツ 石塚桜子展 (~12/16) @ 佐藤美術館 (大京町) 
(書籍の装画でも活躍しているひとだ。人物具象をのこした抽象画、ぼくのストライクゾーンに来てる。昭和50年高松市生まれ、四国のかたでしたか! 東京造形大卒。)

241211 青山裕企(ゆうき)写真展 [記号的]←[個性的]: schoolgirl complex (2012) (~12/23) @ 和田画廊 (八重洲二丁目) 
(素足フェチのぼくです。ちょっぴり ぞくっとする作品があって、いいね。)

241211 藤崎孝敏(こうびん)展 (~12/16) @ ギャラリー枝香庵 (銀座三丁目) 
(油画とデッサン。ゴヤの 「巨人」 を想起させる小品も。DM の「じゃがいも」は ぴんと来なかったのだが、藤崎ワールドの色づかいを端的に示す作品だった。)

241210 後藤あこ展 (~12/25) @ LIXIL ギャラリー ガレリアセラミカ (京橋三丁目) 
(これまた、陶の劇空間。この作品群とともに、朗読劇をやってみたいです。平成元年生まれ、愛知県立藝大彫刻修士在籍。)

241210 中村亮一展 The world has begun to quietly say, "No" (~12/26) @ LIXIL ギャラリー (京橋三丁目) 
(ドイツ留学で得たものが大きい作家。シャイなひとです。物語世界が紡がれていて大好きなんですが、最近作は絵空間に単語や文を文字で散らしたものが増えて、ぼくは大いに不満。文字メッセージを絵画に入れるのは、マイナス。気が散っちゃうんだよ。)

241210 小林悠児 「森からの声」 (~12/26) @ Gallery Tsubaki (京橋三丁目) 
(ちょいとシャガールで、そして、絵解きが聞いてみたくなる出来事がつづく森の舞台空間。個展作品のすてきな図録までいただいた。震災地の布も含め、さまざまな布切れにインクで描いたデッサンを貼り込んだお宝帖も必見ですね。もっと若いかたかと思っていたら、昭和23年生まれ、東京藝大院修了の多摩美教授でいらした。アトリエが、森のなか。)

241208 藤崎孝敏(こうびん)展 (~12/11) @ ギャラリー・しらみず美術 (銀座五丁目) 
(ヨーロッパの伝統を存分に体現した Fujisaki Cauvine の油画。ライラック色の花束の絵は、ありそうで 無い静物画。)

241206 安彦講平 ― 路上のまなざし 三島由紀夫憂国忌ポスターと自写像を撮る (~12/22) @ ギャルリさわらび (銀座一丁目) 
(三島由紀夫の自決は、超演劇、超藝術だというのが、ぼくのとらえ方です。時代を経て、別ステージのきらきらした解釈があってもいいと思いますが。あ、この展示は、オーソドックスをずしりさらりとさらけていて、ぼくの脳内との関係はまだよくわかりません。)

241206 山田りえ 日本画展 (~12/6) @ 柴田悦子画廊 (銀座一丁目) 
(花や葉の輪郭線が極細の朱色で、たぶんこれは輪郭というより下塗りなのでしょう。丁寧な仕事が、意識下に訴えてきますね。)

241205 宗國仙嬌展「墨彩と素描~Vol.2」公募 日本の絵画2012 (~12/11) @ マキイマサルファインアート (浅草橋一丁目) 
(シンガポール生まれの Sian Keow Munekuni さんの彩色墨絵人物画50点。大作は、掛け軸三連作という手法も面白い。)

241205 山口 藍 展 「ほし」 (~12/22) @ ミズマアートギャラリー (市谷田町) 
(少女たちはマンガポップで、支持体は毛布を押し込んだ 「ふとんキャンバス」。制作が間に合わなかったのだろう、壁面スペースは6割しか使えなかった。大作は明らかに制作途中だし。)

241204 公募 日本の絵画2012 (~12/15) @ 永井画廊 (銀座四丁目) 
(応募者数448名から選ばれた43名の受賞作。やや期待はずれ。大賞の 「夜のやみ」 は、構図はいいんだけど部品としての蓮(はちす)が貧弱だし、花びらの陰影にリアルさがない。川越ゆりえさんの、架空の虫の立体シリーズ作が入選していた。)

241204 枝香庵のクリスマス (~12/9) @ ギャラリー枝香庵 (銀座三丁目) 
(門倉直子さんのサムホール判の油画2点。お手頃価格で、財布が温かければ買いたかった。小川香織さんは3点出展。オーナーの荒井よし枝さんと、小川さんのことを話題にした。)

241204 琳派藝術II (~12/16) @ 出光美術館 (丸の内三丁目) 
(酒井抱一(ほういつ)と鈴木其一(きいつ)特集である。抱一の風神雷神図は、ここにはない俵屋宗達作・建仁寺所蔵の国宝や尾形光琳作・東京国立博所蔵の重要文化財と永遠に競演するわけである。抱一・其一とも、まるでいま生きている現代作家であるかのような親近感をもって作品を見た。抱一の六曲一双 「紅白梅図屏風」 がいい。)

241203 MY duo 2012 秋山佳奈子 真条彩華 (~12/9) @ Shonandai MY Gallery (六本木七丁目) 
(真条彩華さんは、若い日本画作家としては珍しく、絹本着彩の絵を描くひとだ。女子美日本画を卒業後、櫛谷純園さんに師事して絹本の絵画を基礎から学んだという。今回買った 「蔦」 は紙本着彩ながら、全体の色調は寂しげなのに女性の顔に はなやぎがある (dudek sep mil tricent)
秋山佳奈子さんは、多摩美版画の院修了後、多摩美に副手として残った。目をあえて描かないことをポリシーにしているようすなので、本人にあえて辛口批評をした。)


241203 阿部清子展 ―聖の目覚め― (~12/8) @ ギャラリー広岡美術 (神田駿河台三丁目) 
(裸婦像2点ほか、日本画の技の変化球をくりだし女性を描く個展なのだが、オーナーの廣岡典芳さんが今朝なにげなく壁に掛けた、阿部清子さんの異色作 「楽観羅漢」 に目がいってしまった。この楽天路線の絵もどんどん描いてくれというエールのつもりで、購入を決めた (naudek mil)。)

241201 第44回 日展 (~12/9) @ 国立新美術館 
(1階の日本画、洋画、2階の洋画、彫刻を見た。詳しくはブログ本篇をお読みください。)

241130 写実変 (~12/22) @ Gallery Suchi (日本橋茅場町二丁目) 
(石黒賢一郎、五味文彦、藤田貴也、水野暁の皆さんの、ハイレベルの写実画 4人展。)

241130 Lost Garden たま個展 ~少女主義的水彩画集III出版記念~ (~12/1) @ ヴァニラ画廊 (銀座六丁目) 
(なぜか、たまさんって、男性だとばかり思ってた。お人形さんみたいな作家本人がいらっしゃって、びっくり。今回は、けっこうダークな展開の絵が多かったが、サーカスの火の輪くぐり少女の絵はメルヘン。水彩画はオリジナルを見るに限るね。)

241130 コレクション展 (~11/24 会期切れ) @ ガレリアグラフィカ (銀座六丁目) 
(舟越桂さんのカラー木版「水のように」が美しく、ひかれた。24作品のカタログ冊子をいただいてしまった。)

241130 強瀬淨眞展 The Seven Secrets of John 2 ヨハネの黙示録シリーズ完結篇 (~12/1) @ ガレリアグラフィカ bis (銀座六丁目) 
(タロットカードのデザインになりそうな味あり。作品で構成したヨハネの黙示録抜粋篇の和英対照本も出しておられる強瀬さんだ。)

241130 中山みどり展 フェルトアート (~12/1) @ 靖山画廊 (銀座五丁目) 
(羊毛で形成した犬や猫たちは、ぬいぐるみとはレベルの違うリアルさ。死なせ別れたペットの姿を再現してほしいという注文が殺到して、オーダーストップ状態の大人気だというのも納得だ。徹子の部屋にも招待されたひと。武蔵美日本画出身。)

241128 MAM Project 018 山城知佳子 「肉屋の女」 (~25/3/31) @ 森美術館ギャラリー1 (六本木六丁目) 
(長編現代詩にもっとも近いところにある映像作品だ。昭和51年、沖縄県生まれ。)

241128 会田誠展: 天才でごめんなさい Aida Makoto: Monument for Nothing (~25/3/31) @ 森美術館 (六本木六丁目) 
(見たことのある作品が半分以上あるが、何度見てもすばらしい。新作の 「ジャンブル・オブ・100フラワーズ」 は 2m × 17.5m のパネルで、こどもに見せてもいいヌード (=乳首と陰 毛・割れ目を描かないヌード) の女の子たちが笑いながら駆けてきて、ゲームふうにバキューンされると苺や羽毛が散ってゆく。巨大な六曲一隻の 「電信柱、カラス、その他」 は、よく見ると烏が眼球や指のかけらを咥えている、悲惨の上空。会田さんの思い入れある 「河口湖曼荼羅」 にも注目。
3F の 六本木ヒルズ A/D ギャラリーでエディション60部のデジタル版画を売っていて、オカネがあれば買うなぁと思った。10枚揃いで63万円と買い得ですが。)


241128 Zeitgeist ―時代精神― (~12/22) @ Gallery MoMo Roppongi (六本木六丁目) 
(5人展。オーナーの娘さんが米国のアートフェアで声をかけたという Andrej Dubravsky さんは平成62年スロバキア生まれ。バニーガールならぬバニーボーイを乱調の筆致で描くが、パワーのある油画は完成度が高い。こういう作品を、いま買っておければね、と思うが。
牧嶋武史さんは昭和55年生まれで、高卒後はドイツで美術教育を受け、いまもデュッセルドルフ在。素朴幻想画、おもしろいんだけど、雑な仕上げに見える (本人の意思でだろうけど) のが残念。篠原愛さんは、旧作に描き足した新装大型作品。)


241128 金丸悠児展 ホシノキオク (~12/8) @ 四季彩舎 (京橋二丁目) 
(金丸悠児さんの神出鬼没ぶりと組織力には敬服するが、絵はかなりワンパターンなので飽きた。今回は、アートフェアで好評だったという流木と木粉粘土・石粉粘土をつかったオブジェ群。新鮮だ。今回展示の絵も、以前よりヴィヴィッドな色づかいで、好感。)

241127 羅針盤企画 武田裕子個展 (~12/1) @ アートスペース羅針盤 (京橋三丁目) 
(花鳥を描く日本画だが、この新鮮さは、ぜひ見てもらいたい。技を極め、手間をかけた、多様な手法の花園で、見るものを飽きさせない。東京藝大で文化財保存学保存修復日本画専攻、博士号 (文化財) 取得の、きれいなひとだ。)

241127 小浦 昇 展 “azure and intaglio” (~12/8) @ Gallery Tsubaki/GT2 (京橋三丁目) 
(ぼくは銅版画の藍色・紺色の諧調が大好きで、だから小浦作品はストライクゾーンなのだけど、惜しむらくは刷上りに鉛筆で書きこんだ英文に間違いが散見し、大文字・小文字の使い分けポリシーが不明。)

241127 山本麻友香展 (~12/5) @ Gallery Tsubaki (京橋三丁目) 
(かぶりものの少年は、シャイなだけではなく、毒を秘めているだろうか。さらりとした母性愛なのかもしれないね。)

241126 大森暁生(あきお)展 Sculpture exhibition - torso - (~11/29) @ 万画廊 (銀座一丁目) 
(胴体だけでどこがおもしろいんだ。いや、これがおもしろいんだよ、天使とデビルのトルソとか。横たわる人魚の胴体 (これは尾鰭つき) の物語を聞こう。受付机に坐った人魚のトルソも、いい趣味だ。
帰途、銀座1-22-12 に 「縁(えにし)」 といういい雰囲気の飲み屋を発見。会津娘の遠藤麻実ちゃんが、きれいで気ッ風がいい。2階・3階が殺風景な店なので、お蔵入りの絵を何枚か進呈したくなった。)


241126 Emerging Korean Artists 展 (~12/1) @ Gallery Q (銀座一丁目) 
(韓国文化院での展覧会と同じ作家たちが別の作品を展示していた。裴峻稷 (Bae Joonjik) さんの写真作品 「オモテII」 をシートで購入(dek kvin mil + i)。 能面を外して耳にあてる女性。面と顔のコントラスト。彼女の指。ハイパーリアリズムの油画のような仕上がりだ。東京工藝大写真学科4年在籍の、才能ある写真家。)

241126 MIZU の於母陰抄 ―MIZUの底ひに降る水島のおもかげ― (~12/15) @ 画廊香月(かづき) (銀座一丁目) 
(奥野ビルの6Fという秘境の画廊に、ようやく初めて行った。オーナーの香月人美(かづき・ひとみ)さんが、Mizu さんの初期作品展を発案企画した。香月さん、テンション高めだね、ぼくが堪えられるぎりぎり。Mizu さんは、最近のミニマル抽象画より、こういう古い人物ドローイングがいいね。)

241126 三谷綾子展 ―還る場所― (~11/28) @ 柴田悦子画廊 (銀座一丁目) 
(やや寥感のある水彩画。酒飲みの幻視のような、と言いかけて、褒め言葉にならないなと思って口をつぐんだ。秋田の 「若返り饅頭」、ごちそうさまでした。)

241126 高橋葉介個展 (~12/1) @ スパンアートギャラリー (銀座二丁目) 
(ちょっと永井豪な漫画の彩色原画。ほぼ完売の盛況で、世の中の需要がどこにあるかを如実に物語っている。)

241125 大岩オスカール ― 旅する光 Traveling Light (~11/26) @ 渋谷ヒカリエ 8F Cube 
(昭和40年サンパウロ生まれ、日系ブラジル移民二世の Oscar Oiwa さんの、野(や)のなかの安らぎ。)

241124 小村雪岱(せったい)展 (~11/25) @ ニューオータニ美術館 (紀尾井町) 
(絵の置き場がだんだん無くなっていることに気づき、藝術品としての稀覯本に手を出そうかと考えはじめていた折も折。200冊以上の美麗な装幀をこなし、同じく200以上の舞台装置原画を描いたひとだ。)

241122 没後70年 特別展 竹内栖鳳 ― 京都画壇の画家たち (~11/25) @ 山種美術館 (広尾三丁目) 
(そこここで1点2点拝見していたが、まとめて栖鳳さんの画業を見たのは初めてだ。)


すみません。更新が滞っていますが、11月28日までにはメモを書き込みます。


241115 第5回CC'S展 武蔵美大通信教育課程卒生展 (~11/19) @ ミレージャギャラリー (銀座二丁目)
(袴田元方さんの描く女性像、すっきりとふくよかな線がいいし、彩色も 「渋さわやか」 と評したくなるいいセンス。小品 “Face” を購入(tridek mil)。後日、作家から葉書で 「2ヶ月くらいかかって、ゆっくり醸造されるようにしてこの世に誕生しました」 と。横尾まさこさんのガラス工藝も、うっとりさせる色と構成で、媚びたところがないのがいい。)

241115 The Second Stage at GG #33 大島慶一郎展 “HAAAH” (~11/22) @ ガーディアン・ガーデン (銀座七丁目)
(ジャンルは広告写真ですね。≪すこしミュージカル映画のような世界≫とは大島さん自身の形容。遊びがあって、オシャレで、すてき。過去作品を iPad ですいすい見られるようにしたのもいいね。昭和49年生まれ、東京藝大デザイン卒。)

241112 3331 Trans Arts 展 (~11/25) @ 3331 Arts Chiyoda メインギャラリー (外神田六丁目)
(800円の入場料は、カンパという気がした…。JKD Collective の映像がよかったですねぇ。といっても、けっきょくカラフル画像があって、女の子が水にしたたっていたからでしょ。)

241111 GTS (藝大・台東・墨田) 観光アートプロジェクト 隅田川 Art Bridge 2012 GTS Award (~11/11) @ スシタマチ Base (東武線高架下倉庫@向島一丁目)
(ガネーシャ神をモチーフにしたパフォーマンス映像3点と、パフォーマンス装束を神棚めかしたインスタレーション。藝大修士在籍の林千歩(ちほ)さんの最新作。AKB48クラスのルックスと思い切りのいい楽天性格をぜひ生かして活躍してほしいです。それにしても、ほかの連中はからきしチカラが入ってなかったな。見るに値したのは千歩ちゃんの作品だけだったよ。)


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